WASABI Enterprise~
シンガポールの日本人起業家、日系ベンチャー企業を垣間見る
Produced by WASABI Creation
グローバル展開を視野に入れ、
5つの言語で展開されるEventRegist
Text by Kurumi Takayanagi, Undergraduate Shizuoka University
御社のサービスとその強みについておしえてください
ーEventRegistは、イベント主催者・参加者向けの事前登録・決済・運営の為のオンラインプラットフォームを提供しています。強みとしては、使いやすさもありながら、ビジネスイベントに必要な機能が充実していてカスタマイズが可能なこと、オンラインとオンサイト両方の機能が一つのシステムに統合されていること、イベント当日の来場者のトラッキング履歴が簡単に残せることです。
御社のこれまでの沿革、歴史をおしえてください
ー2011年にGoogle, Microsoft, YahooなどのIT企業出身者によって立ち上げられました。
その後、東京ゲームショウやCEATEC、ad:tech Tokyoなどの大型展示会にも採用されています。2014年には日本経済新聞社から出資を受けています。2014年にシンガポールに営業拠点を立ち上げ、アジアでの新規開拓を行っています。今年10月22~24日にサンテックシンガポールで開催されるASEAN最大の日本食の見本市 Oishii JAPANのレジストレーションに採用されております。

御社がシンガポールを海外拠点に選んだ理由を教えてください
ーアジアのMICEは、経済発展を背景に、その他の地域に比べても急速に伸びています。そのアジアの中でシンガポールはMICE都市として先進的な地位を築いています。国土は小さく、展示会開催面積では他国より小さいですが、都市別の国際会議開催件数ではアジアでトップです。またシンガポールの展示会では、海外から参加される人の比率は非常に高いことで知られています。シンガポールで実績を作ることは、アジア全域への展開するのに有利だと考えました。
シンガポールでJubliaを知ったきっかけをおしえてください。
ーCEOのヒラヤマからシェアをしてもらった記事にたまたまJubliaのことが書かれていました。そこで知って、Jubliaに情報交換の為ミーティングを申し込んだところ、お互いの長所を生かしたパートナーシップ関係が出来そうだったので、提携をしました。
5つの言語で展開されています。
ーEventRegistは日本で生まれましたが、最初からグローバル展開(特にアジア)を視野に入れ、英語、日本語、中国語(繁体字)、タイ語、インドネシア語の5ヵ国語対応をしております。ユーザー側で自由に言語設定を切り替えることが出来るのは他社にないユニークな点です。まだ日本にいる日本語ユーザーが圧倒的に多く、次いで英語です。日本にいる外国人の方の利用はもちろんですが、海外から日本のイベントに申し込んだり、アジアで開催されているイベントでは中国語、タイ語、インドネシア語での利用も増えています。

シンガポールでビジネスをする上で日本にはない困難や難しさはありましたか?
ー日本よりも競争は激しいです。シンガポールは英語が公用語で、ビジネスインフラも整っているので、外資が入りやすく、欧米系の競合他社も数多く参入してきます。
具体的にこんな困難に直面したということがあればおしえていただけますか?またそのときどう対応しましたか?
ー営業には苦労しています。アポ取りに至るまで、採用に至るまでも険しい道のりです。未だ実績も少なく知名度も少ないので、信用を得るまでには時間がかかります。信用のあるローカルのパートナーと組むことは効果的でした。紹介をしてくれたり、あそことパートナーと伝えると信用をしてくれたりと。
シンガポールでビジネスを始めて、気をつけるようになったことはありますか?
ーアクションを起こすタイミングですね。必要な時に必要なものを提案しなければ、相手は興味を持ってもらえません。そのタイミングを逃すと、年に一度しか開催されないイベントなどは、また一年待たないといけないこともあります。
仕事の仕方や働き方で気づいた日本とシンガポールの相違点や共通点あればおしえてください
ーこちらでは、管理職に女性が非常に多いことに驚きました。日本では管理職はほとんどが男性ですが、こちらは女性のマネージャーをよく見ます。優秀でパワフルな方が多いと思います。出産後の復帰の早さも驚きました。男性・女性とも仕事・家庭をうまく両立している印象を受けました。
シンガポールでの短期的・長期的な目標をおしえてください
ー短期としてはシンガポールで実績を作ること。長期的には、EventRegistをアジア全域に展開させることです。また、イベントのサプライヤーとしてだけでなく、イベント主催者に近いポジションでイベントを仕掛けていきたいです。そしてで最も親しまれるイベントプラットフォームにできたらと思います。

種倉章仁 氏について
ご出身と経歴をおしえてください
ー生まれ育ちも東京の下町の江戸川区です。大学卒業後、東証一部の電子部品のメーカーで営業をしました。入社3年目、25歳の時にシンガポール駐在となり、それから東南アジアの営業となりました。2014年、イベントレジストに入社し、シンガポール支社の代表として立ち上げをしています。今は私一人しかいないので、営業、マーケティングから、管理まで全てやります。
渡航前のシンガポールの第一印象をおしえてください
ー街が清潔で整理された印象でした。それまでアジアはインドしか行ったことがなかったですが、そのイメージとはかけ離れた近代的な都市だと思いました。

シンガポールには特別に持ってきたものはありますか
ー大学の時からやっているクラシックギターです。今はピアノの方にはまってます。幼いころ習っていましたが、小学生の時に止めて以来しばらくやっていませんでした。最近電子ピアノを買い、毎日弾いています。
日本での生活と比べて何か変わったことはありますか
ーひととのつながりは変わりました。日本では、かつての同級生や同じ会社の同僚など、限られた範囲の人たちとしか関わりはありませんでした。しかしシンガポールでは多種多様な国籍の方々と関わる機会も多く、同じ日本人であっても老若男女の多種多様な業界・業種の人と知り合うことが出来ました。これによってビジネス・プライベートでも充実した生活が送れているかと思います。
シンガポールの文化・習慣で驚いたことはありますか
ーホーカーの文化ですね。いたるところにホーカー、フードコートがあり、比較的安価で多種多様な料理を楽しむことが出来、そこが人々の憩いの場になってることに驚きました。
シンガポールでやりたいことや行きたい場所はありますか
ーMBSのスイートルームには行ってみたい(泊まってみたい)ですね。
ご自身の目標があればおしえてください
ーEventRegistでの成功の他では、個人的に株式投資を実践しながら学んでいるところなので、経済的な自由を手に入れるまで資産を殖やしたいと思います。そして、学んだことを投資に興味のある初心者の方々にシェアをしていきたいと思います。
長期的には自分の会社を持ち、人を育て、世界中の多くの人から喜ばれるものを提供したいです。
読者にメッセージをお願いします
ーシンガポールは、よく狭く、退屈という見方もありますが、大きな東南アジアの首都のようにとらえると、また違って見えるかと思います。特定のグループだけと接するのではなく、広く接しようとすれば、常に新しい出会い・発見があります。特にイベントでは多くの国の人と知り合う良い機会かと思います。イベント関係でお役に立てることがあればご連絡ください。
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